ヨルダンの2005年の愛知万博への参加はこれまでで最も印象的なものの一つでした。「自然の叡智」をテーマとしたこの万博で、ヨルダン館「@minus400」は、死海をメインの展示とし、121カ国中3位の人気を誇りました。
ヨルダンは何千年もの間、文化の交差点として機能してきました。人々のつながり、交流、知識の共有が歴史を形作り、現代のアイデンティティへとつながっています。「いのちをつなぐ」というテーマは、私たちの過去・現在・未来を定義するものであり、私たちはこれを「いのちを織る(Weaving Lives)」と呼んでいます。三大陸の交差点に位置するヨルダンは、多様な文明の叡智を持ち、未来への貴重な教えを提供します。
ヨルダンは常に平和な安息地であり、難民や移民にとって温かい炉辺のような存在でした。何百万もの人々を安全と温もりをもって迎え入れてきた歴史があります。また、文化やアイデアの架け橋として、ヨルダンは変化や新たな機会に適応しながら成長し続ける、回復力のある社会として繁栄しています。
世界でも有数の若い人口を擁するヨルダンの未来は、大きな可能性に満ちています。その基盤となるのは、社会の礎となる家族の絆です。この強固な家族のつながりが、次世代を育み、支える環境を築いています。それぞれが社会の織物を形作る一本の糸となり、豊かな未来を紡いでいきます。
ヨルダンは、このパビリオンを通じて日本へとその糸を紡ぎ、両国の文化が出会い、交流する未来を織り上げます。万博のコンセプトである「-People’s Living Lab-(未来社会の実験場)」を受け継ぎ、ヨルダンはメイン展示スペース「ヨルダンの未来社会の実験場(Jordan’s People Living Lab)」のもと、世界との対話を促します。私たちの未来へのビジョンを共有し、日本を経由して世界とつながることで、「可能性を織りなす(Weaving Possibilities)」希望を広げていきます。
ヨルダンと日本は、文化遺産への深い敬意と革新への情熱を共有しています。ヨルダン館では、世代を超えた協力によって、この精神を織り上げていきます。
両国のあらゆる世代のクリエイターたちが協力し、ヨルダンは日本各地のコミュニティと連携して、このユニークな体験を創り上げています。
すでにこの取り組みは、日本のいくつかの地域との共同プロジェクトとして進行中です。たとえば、大工職人と若い学生たちが力を合わせ、展示ホールの木材を準備しています。この共同作業は、世代を超えた創造の力を象徴するものです。
ヨルダンの地を通った多くの文明は、織物のように色鮮やかな文化の「糸」を残してきました。ナバテア人、ローマ人、オスマン帝国、そしてそれ以降の文化が織りなす調和と共存の物語が、ヨルダンには息づいています。
ヨルダン館では、職人たちの手仕事を通じて、ヨルダンの文化を体感いただけます。ヨルダンは、さまざまな文化が融合する「文化のるつぼ」であり、日本とも共同ワークショップやイベントを通じて文化交流を深めることを目指しています。また、環境保護や自然保全の取り組みにも焦点を当てます。ワディ・ラム砂漠から死海に至るまで、ヨルダンの多様な自然の驚異を守る姿勢を示し、持続可能な未来へのコミットメントを発信します。
ヨルダンは、協力・革新・持続可能性を基盤とした未来を描いています。EXPO2025大阪・関西万博 では、世界トップクラスの大学とのパートナーシップを通じて知識交流を促進し、学生や研究者が未来を創造する機会を提供します。
また、再生可能エネルギーや水管理を含む持続可能なソリューションを紹介し、環境に優しい未来のためのエコフレンドリーな解決策を提案します。ヨルダンは国際協力と人道支援の強い推進者として、国境を障壁ではなく、つながりと成長の機会と捉えています。私たちのパビリオンが、訪れる皆様に「国境を超えた未来の可能性」を想像するインスピレーションを提供する場となることを願っています。